ウメハラが語る「e-Sports」-対戦ゲームを日本で盛り上げられるか 前編2014年04月06日配信

「e-sports SQUARE AKIHABARA」プレス発表会にて

秋葉原に移転して新規オープンする「e-sports SQUARE AKIHABARA」のプレス発表会が、2014年01月24日に開かれた。



e-Sportsとe-sports SQUAREについては以下の記事でご紹介しました。
ネトスマ勢にも知ってもらいたい「e-Sports」の今


三光パートナーズ(e-sports SQUAREの運営会社)取締役の山本紘章氏が「2014年をe-Sports元年と定め、日本のe-Sportsの発展に貢献していきたい」と意気込みを話した後、具体的にどう活動していくかを考えるパネルディスカッションが行われた。



株式会社ドワンゴ取締役の夏野剛氏がモデレーターを務めた。
中国と韓国のeスポーツに携わるプロデューサーと、プロゲーマーの梅原大吾氏がゲストに。

夏野氏と梅原氏が語るeスポーツの今後


夏野 ウメハラさん、日本のプロゲーマーは韓国中国のプロゲーマーと互角に戦ってるレベルなんですか?。

ウメハラ どうなんですかねえ。

夏野 まあウメハラさんは戦ってると思いますけど。
いっぱいいるんですかね。ウメハラさんクラスがたくさん。

ウメハラ 日本のプロゲーマーっていうのは、格闘ゲームがほとんどなんですよね。
なので、今話されてるプロゲーマーの方たちって、RTSとかFPSとかだと思うので、プロ同士の対決ってのはあんまり聞かないですね。

夏野 あぁーそうなんですね。
でもこれから世界レベルで戦った方が面白いじゃないですかこういうものって。

ウメハラ そうですね。

夏野 そうなってくると段々日本のプレイヤーがRTSの世界行ったりとか、あるいは中国韓国のプレイヤーが格闘系に来たりとか、今後起こるんでしょうかね。

ウメハラ もう既に格闘ゲームの中では、世界大会はありますし、海外でも格闘ゲームのプロのプレイヤーはいるんですけど、日本で、そうですね……、でも時間の問題という気はしますよね。
FPSやRTSの日本のプロが生まれるのは、時間の問題かなという気がしますね。



スポンサー契約を結んでいるMAD CATZ(マッドキャッツ)のTシャツを着て登場したウメハラ。


カウンターストライクのプロチーム「4dN.PSYMIN」はあまりに強豪だったので、国内で対等に練習できる相手がいなかったとのこと。


League of Legendsで活動するチーム「DetonatioN」や「Rampage」などはランクが「ダイヤ1」級であるのに対し、韓国やヨーロッパのトップレベルは、ラングが一つ上の「チャレンジャー」級であるという。
(六段階のランク。最上位が「チャレンジャー」でその次が「ダイヤモンド」。
DetonatioN FMのYutapon氏が2013年、「チャレンジャー」級に昇格した)


MOBAやRTSの分野では、日本と海外で実力差があると言われている。
日本のRTSプレイヤーの実力が均衡してくれば、
海外とのイベントが活発になるとの話が出ていた。
国内は練習環境が、格闘ゲームと比較してまだ整ってないのかもしれない。



スマブラ64も世界大会ありますね、APEX。
日本勢と海外勢の平均的なレベルはどんなものなんでしょうかね。
あちらはIsaiとSuPeRbOoMfAnが群を抜いているように見えますが。


そういえばSmashboardsのフォーラムで、
関東大会のレベルと、何より参加人数が凄い! といったコメントがあった。
確かに、100人を超える実機大会を今もなお開催できるのは国内ならではか。

魅力を伝えるにはメディア(マスコミ)の力が大きい

夏野 ニコニコなんかではゲーム実況っていうのは完全な、大きな分野として、もう多くのユーザーさんが見るものになってますけども。
そういう意味では、それをメディアが取り上げるのも時間の問題かなという感じはするんですが。

ウメハラ ちょっとずつ取り上げてきてますよね。すでに。

夏野 徐々にね。僕、ゲーム実況と電王戦ってあまり変わりないんじゃないかと思ってて。
将棋とか囲碁ですね、ニコニコで電王戦って言って、コンピューター対棋士とかやってるんですけど、それとゲーム実況ってあんまり変わらない?

ウメハラ まあ見てる側、ファンにとっては同じものだと思いますよね。

夏野 そうですよね。


立ち回りやキャラ対策って、頭で考えて練り上げた戦略を、
リアルタイムで脳内から引っ張り出してきて戦う……みたいなものなんですかね。


寒くて手が凍り満足に操作できず、思い通りに動けないことはあるので、
体はもちろん必要な部品なんですけど。


事前に知識なり考察なりを用意して、それを正確に試合で再現できるか、プレイヤーの頭に経験がどれだけ入っているかで勝負がほぼ決まるのかなと。


つまり、対戦ゲームは電"脳"戦。
知識をそのまま勝負に役立てられる分野。


あるプログラマーが、「自分の仕事は、頭の中(コード)をお金にしているようなもの」と言っていた。それに近い気が。

まあでも、反応速度や操作精度となると話が違ってきますか。

海外はeスポーツが普及していると聞いて

夏野 ウメハラさんから見た、世界のプロゲーマーの世界、プロゲーマーシーンっていうのは、どういうものなんですかね。

ウメハラ さっきから話聞いてていいなあって思ってて、聞いてますね。
日本はさすがにそこまでじゃないので。

夏野 ちなみに年収二千万円クラスのプロゲーマーっているんですか。

ウメハラ どう……なんですかね。あまり、それはちょっと(笑)。

夏野 ははは。自分のこと言わなくちゃいけない(笑)。

ウメハラ たとえばその、海外の大会行って、空港で「お前何しに来たんだ」って言われた時に「ゲーム大会で来たんだ」言ったら「ああ、あそこのゲーム大会か、頑張って」ってことを言われるんですよね。

夏野 それはいいですねえ。

ウメハラ 「俺も結構やるぜ」みたいな感じで。

夏野 おぉ~。それはもう認知度高いってことですね。

ウメハラ そうですね。逆はちょっと考えられないんですけど、日本で。

夏野 日本じゃありえないですよね。


私も向こうの話を聞いて、終始「いいなあ進んでるなあー」と羨んでおりました。


中国では、アジアオリンピック評議会が開催する「アジア室内競技大会」でeスポーツが採用されたり、国家体育総局が2003年にeスポーツを99番目の「体育種目」に指定したりと、マインドスポーツが発展している。


韓国も活動が盛んで、小学生を対象にした将来なりたい職業の二位に「eスポーツプレイヤー」が入ったり、プロゲーマーが芸能人として、スターとして認知されたりとメディア方面が強い。



梅原氏が体験した空港でのやり取り、いいですなあ。


こんなエピソードがあります。
海外の上位プレイヤーが大会で来日した時に一言。
「ファンが空港に集まっていなかったのは、日本とアフリカだけだ」と。


Isaiが実機大会に来る時は空港で手厚く歓迎したり、Apexから帰ってきた日本勢にも「世界一おめでとう」とか「ファルコン対決ばかりで大変だったね」とか「竜巻に巻き込まれて災難だったね」とか言ったりするくらい、eスポーツの認知度を高くしていきたいですね。


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