アユハによる特別講義がプロゲーマー専門学校で開かれる2015年08月15日配信

Twitchとe-Sportsについて講演

2015年08月14日、e-Sports専攻コースが開講予定の東京アニメ・声優専門学校にて、アユハこと中村鮎葉氏の特別講義が開かれた。

アユハ
東京アニメ・声優専門学校の告知より。


アユハ氏はスマブラ for Wii Uの競技シーンに携わってるプレイヤーで、2015年の四月よりTwitchの社員となり、Twitchの国内普及に尽力している。
講義が開かれる教室に、アユハ氏はTwitchのTシャツ(社員限定の紫バージョン)を着用して登場。

中村鮎葉
東京アニメ・声優専門学校の公式ブログより。


特別講義には、東京アニメ・声優専門学校の在校生や、DetonatioN代表の梅崎伸幸氏も駆けつけた。

アユハ氏はまず、体験入学生に向かって「普段FPSやってる方いますか?」「MOBAとかRTSやっている方いますか?」と、プレイヤーの分布を確かめた。
FPS勢、MOBA勢、格闘ゲーム勢がそれぞれ二名ほどで、さすがに生徒のほとんどが競技ゲームをプレイしている。

アユハ氏が用意してきたテーマは、「なぜゲーマーは配信するのか」「どうやって生放送するのか」「Twitchは何を考えてるのか」の三つ。
初めはDota2の世界大会『The International 4(賞金総額約11億円)』が開かれたスタジアムの写真を見せながら、ビデオゲームの大会では多くの企業がスポンサーになっている状況を説明。

教室に置かれたロジクール製のゲーミングヘッドセットを手に取り、ロジクール社はビデオゲームを支援しているのだと解説。
コカ・コーラ社とレッドブル社も支援しており、この二社はフィジカルスポーツだけでなく、ビデオゲームにも手を広げている点をおさえておきたい。

Dota2の世界大会や、EVO2015のヲシゲ選手のガッツポーズなどをモニターに映しながら、アユハ氏はeスポーツの熱狂をアピールする。
例えば、EVOの参加者6000人、LoLの世界大会の観客40000人、同時視聴1600000人、Dota2の賞金総額2200000000円といったデータを体験入学生に見せ、eスポーツの規模をわかりやすく図解した。

ゲーマーが配信することの大切さを説いた後は、具体的な配信の技術をレクチャー。
Twitchでストリーミング配信するのに必要な回線速度と、パソコンのスペック、配信ソフト「XSplit」のテクニックなどを伝授。
配信画面はビデオゲームの映像だけでなく、テロップとワイプを入れたり、クロマキーを使って自分の姿を配信に映してみよう、などといった技術論にまで及んだ。

講義のおまけに、教養の身に付け方と英語学習のコツを体験入学生に教え、ゲーマーにとって語学が重要になってくる点を強調した。

ゲーマーの配信を援助する立場から、アユハ氏は一つの問題を打ち明けてもいた。
それは生放送のミラー配信だ。(本放送の映像を自分の配信ページに映すこと)
海外のビデオゲーム大会は放映権が存在するものがあり、EVO2015の放映権を買ったのはTwitchだけらしいのだが、無許可のミラー配信があちこちで流れてしまっている。

アユハ氏はミラー配信に関して、「日本の人ってすごくモラルが高いんで、人の描いた絵を無断転載するのは禁じられていてタブーになってますけど、生放送はなってないんですよ。他人がプレイヤー生命をかけて作っている生放送を、自分の所で放送して視聴者数を取るのは画像転用と一緒なので」と話した後、Twitchの「ホストモード」を紹介した。
「ホストモード」を一言でまとめるなら、ミラー配信されてもミラー元が損をしないシステム。
つまり、ミラー対策を含めて、Twitchは「ゲーマーを生かすこと」を目標にしているとのこと。

本講義は、eスポーツが世界で盛り上がってる模様や、Twitchの配信技術などを学べる構成となっており、プロゲーマー専門学校で求められる知識が凝縮された90分だった。


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