考察2016年04月03日配信

aMSa著『日本人初プロスマブラーの軌跡』をレビューしました


自分が投稿したAmazonレビューを転載。


プロゲーマーとは競技者である。


対戦格闘の梅原大吾、谷口一(ときど)、MOBAの吉田恭平(Ceros)、FPSのDustelbox。
プロゲーマー(ここでは電子ゲームのプロを指す)を日々観ていてつくづく思うのは、彼らは競技志向という点で共通している。


彼らのビデオゲームへの取り組みは勿論ストイックだが、ある選手は麻雀、ある選手はサッカー、ある選手は高分子ゲルの研究に没頭した過去を持っていて、プロになる前から既に競技者だ。



aMSaこと近本昌也も、その一人でした。
ゲーマーを「遊芸師」と訳すか、「競技者」と訳すかで思案しておりましたが、本書でひとまずの確信を得た。


プロゲーマーは競技者であると。
aMSaにとっての最初のゲーム(競争)は、そろばんだった。
小学校時代、彼がそろばん教室へ通っていた日々が語られている。


「計算結果を解答用紙に記載する際、その時間さえ勿体ないと感じ、『答えをいかにギリギリ読める文字で素早く書けるか』を意識するようになった」

「また、『答えを書きながら次の問題の計算をする』ことにまで発想が至り、頭がぐにゃぐにゃになるまで柔らかくすることに成功した」


あぁやっぱり。
プロゲーマーになる人たちというのは、行動の最適化と反復が好きなのだな、と改めて思った。
無類の勝負好きであることも。



そろばん教室に置かれた段位取得者の掲示板。
そこで上位のプレイヤーを知ったaMSaは、より一層、他者と競いたい欲求に駆られたそうです。


彼の根本は、マインドスポーツのそろばんをプレイしていた時から変わらず、現在のeスポーツでも技術を磨くことに専念している。


遊びたい、という欲求よりかは、競いたい、という気持ちが強いから、プロゲーマーなのです。
本書によって、あの赤ヨッシーが世界で戦い続けられる理由がわかりました。
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