漫画2014年12月30日配信

出てくるキャラクターからして、目新しい くつきかずや『突撃! となりのプロゲーマー』

自分が投稿したAmazonレビューから転載。




主に、次のゲーマーが登場します。


・ウメハラ
・ときど
・マゴ
・板橋ザンギエフ
・ふ~ど
・ちび太
・sako
・かずのこ
・ジャスティン・ウォン
・Infiltration



プロゲーマーの漫画は、梅原大吾氏が中心になるものが主流ですが、
本書は「企業と契約しているプロゲーマー」に着目しているため、話題が豊富です。


この漫画が面白い理由の一つは、作者(カスタードプリンの人)の行動範囲が広いこと。
格ゲーしたい! プロゲーマーに会いたい! という情熱から、全国各地のゲームセンターと国際大会を取材しているので、現場の空気が伝わってきます。


中でも「なんだよ板ザン、シュンじゃねーじゃん!」「ありゃー、ふ~どもガチじゃねーな」って会話がよかった。
作者のくつきかずや氏が見聞きした歓声と煽りが、ちょくちょく挟まれるのも本書のポイント。


新宿のタイトーステーションやゲームニュートン大山店などが登場しており、ゲーセンにプロゲーマーが降臨した時のどよめきが伝わって来て楽しい。


ところで、作者は有名プレイヤーに対して神を拝むような態度で接するんですが、かずのこ氏とは何故かフランクに接していてなんか笑った。



惜しい点が一つ。
対戦ゲームの熱さ、プロゲーマーの勇姿をアピールする際に「この会場は甲子園みたいだ!」「まるでプロゴルファーだ!」と、他の分野を引き合いに出していること。


プロゲーマーの認知度を高めるための解説なので、仕方がないんですけども、「まるでMOBAやFPSの大会だ!」といった表現はまだできないんだなぁ、と。




さて、本書の構成は以下の通り。


■プロゲーマーへのインタビュー
・ときどの練習量と心量は凄い編
・板橋ザンギエフ&ふ~どの二人は熱い編
・sakoスペシャル編
・マゴの中学生時代編
・ウメハラの対インフィル編
■格ゲー大会のレポート(Evolution Championship SeriesやSouth East Asia Major)
■作者のスパIV体験記(本作は2011年から2013年の格ゲーシーンがメインです)



この漫画は、「ゲームで稼げるなんて気楽だ」と思ってた作者が、「プロゲーマーはストイックだ」「ゲームがこれほど熱いなんて!」と見方が変わるまでを記録したドキュメンタリーでもあります。(ゲームは苦しむものと考えてる身としては、作者の反応が新鮮だった)


取材を始める前の作者と同じような方、「プロゲーマーって何?」「プロゲーマーはウメハラしか知らない」という方にお勧めの一冊。


今までは『勝ち続ける意志力』『東大卒プロゲーマー』が一つの入り口でした。
その入り口に『突撃! となりのプロゲーマー 』も加わって、新書・漫画の両方で充実し始めていると思います。

読んだ後はゲームセンターへ行こう。





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