オタク必読の予言書 本田透『電波男』
これからますますオタクは増加し、二次元に萌える男も増えていく。顔と金に恵まれた人間が強者の"恋愛資本主義"では、
モテる人間に対しモテない人間も大勢出てくるのが必然。
モテない人間が、特権である恋愛を嗜むのは無理であり、
無理なものを強制されたり頑張ったりしてはいつか絶望する。
絶望した人間は、愛されない自分が悪いのではなく、
俺を愛さない世界が間違っていると結論付ける。
そしてモテない人間は鬼畜へ走る……それを回避できるのが
萌えであり、脳内恋愛なんだYO!と熱く語り尽くしたのが本田透氏の電波男。
この本が世に出た2005年頃、萌えを客観的に分析した本は既にあったけど、
萌えを自ら実践し、二次元世界へ旅立った人の自伝は初めてだったんじゃ。
「えっ? お前らまだアナログ女との恋愛に夢見てんの?
俺はとっくに脳内の彼女と幸せになってるYO!」
と高らかに宣言しており、果たしてどれだけの読者が本田氏の主張を理解できたのか。
恋愛が大事だと映画や音楽で散々言われてるけど、
みんなやるのは無理があるよねってことが書いてある。
では彼の提唱する二次元恋愛とは何か?
オタクを叩いて萌えを排除したら何が起こってしまうのか?
電車男はひどいドラマだった!? 等々。
萌えに留まらず、オタクとこれからの社会を論じた一冊。
ぶっとんだ文体でふざけている様な論調に見えるが、
本田氏の本気と怨念と愛が、込めに込められている。
でも本田氏、おっぱいだけは三次元の勝ちだと悔しがってる。
電波男を負かすとはおっぱい強し。